2020/01/03 22:44

2020年 明けましておめでとうございます。

台湾・鹿谷郷にある為仁茶業の林さん、劉さんのご協力のもと、日本で維仁茶行を開業し2年が経ちました。

新たな一年を迎えるにあたって、鹿谷郷の方々と共に維仁茶行を作った思いと私たちの願いについて書いておきたいと思います。

お茶はティーバッグやペットボトルに入った物が至るところで売られていて、我々にとって身近にある物です。
でも一方では、作法や煎れ方、茶器・茶道具などにこだわって突き詰めていくととても奥深く、一部の高尚な趣味人の世界のように感じるかもしれません。このような趣味の世界の中国茶ショップは各地にあり、日々多くの方の探究心や欲求を満たしてくれています。

ですが、このような趣味の世界に足を踏み入れて行くには、なかなか勇気がいるのではないでしょうか?
ちょっと興味があるけど・・・といたった程度ではなかなか扉を開けてお店の中に入っていくというのは難しいものです。
日本国内で「凍頂烏龍茶」という言葉は聞いた事があるものの実際に専門店で売られているものを手に取ってみた事がある方は少ないのではないでしょうか?
私も初めて凍頂烏龍茶を手にしたのは、スーパーで売られていたティーバッグでした。ちょっと興味があったので飲んでみようと思って・・・まずは数百円の物を手に取ってみたという感じです。
そして、最初の印象は・・・何の印象も残っていません。正直あまり味がしなかったというか、紅茶のようなハッキリした味ではなかったという印象でしかありません。まぁスーパーで売っているティーバッグ程度の品ですから仕方がない事なのかもしれません。でも、それが最初の「凍頂烏龍茶」体験だった私にとって、「凍頂烏龍茶はたいして美味しくない物」という存在になってしまったわけです。

始めて接した物で、そのもの自体に対する価値観が決まってしまったという訳です。

もし、価格が高ければ・・・高いから要らない。
もし、美味しくなければ・・・マズいから要らない。
もし、煎れるのに手間がかかる物なら・・・面倒くさいから要らない。

せっかく興味があった人の第一印象が悪ければ、その後、その人が興味を抱いたりのめり込んで行く事は無いでしょう。
逆に、始めて体験した物が素晴らしければ、きっとどんどん興味がわいてくるはずです。

0(ゼロ)のものを1(イチ)にするのはとても難しいのです。
でも、ちゃんと1にする事が出来れば、2となりいずれ10、100・・・と世界が拡がっていくことでしょう。

台湾で、日常に溶け込んでいる台湾茶に触れ、その気取らない感じと香りに癒やされ、「凍頂烏龍茶」の美味しさを再認識したのが、私にとっての0が1になった瞬間でした。

台湾茶は気軽に楽しんでもらえる物、美味しくてリラックスできる物だと言う事を、上質でお手頃価格なもので実感してもらいたい・・・というのが我々の願いです。

ですから、維仁茶行では、お手頃に楽しんでいただけるものから日々のちょっとした贅沢として楽しんでいただけるものを中心に、手軽に気楽に台湾茶を楽しんでいただく事を提案していきます。

我々の商品で日常的にお茶を楽しんでいただけたら幸いです。